聞き取りやすい!イギリス英語の発音の特徴は?アメリカ英語との違いを徹底解説

イギリス英語の発音には、アメリカ英語とは異なる独特の魅力があります。

例えば、Tの発音がはっきりしていることや、語尾のRを発音しないことなどはわかりやすい違いのひとつでしょう。

その他にも違いはありますが、巷では「イギリス英語は日本人にとって聞き取りやすい」と言われることが多いです。

本記事では、イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いを具体的に解説します。

こうだい

また、イギリス英語の地域ごとのアクセントにも触れ、実際の音声を交えてその違いを体感できるので、英語学習の一助になりますよ。

目次

はじめに:イギリス英語とは?

イギリス英語は、イギリスを中心に使われる英語の種類のひとつです。
歴史的背景や文化の違いなどから、アメリカ英語とは発音、語彙、文法においていくつかの違いがあります

日本人にとって、イギリス英語は比較的聞き取りやすいと感じることが多いです。その理由のひとつには、イギリス英語の発音が一語一語はっきりしていることが挙げられます。

その一方でアメリカ英語は音がつながりやすく、発音変化が多いため、日本人には難しく感じられることでしょう。

こうだい

洋画を観ていても、英語を繋げて発音するイメージがありますよね。

アメリカ英語の方が流れるようなイントネーションになりがちです。

また、イギリス英語は地域ごとにさまざまなアクセントがあり、バリエーションが豊富にあります。

イギリス英語のバリエーションの一例
  • ロンドンのコックニー
  • スコットランドのスコティッシュ
  • ウェールズのウェルシュ など

これらのアクセントを理解することで、イギリス英語全体の魅力をさらに楽しめますよ。

イギリス英語とアメリカ英語の発音の違い【実際の音声&クイズ付き】

ここからは早速、イギリス英語の特徴をアメリカ英語と比較しながら見ていきます。

今回は5つの観点から発音の違いについて解説するので、気になるものだけでもチェックしてください。

母音の違い

a [æ]の発音

母音のa [æ]の発音では下記のような点で違いがあります。

イギリス英語長母音/ɑ:/で発音
アメリカ英語 [æ] の発音
イギリス英語のcat
アメリカ英語のcat

[æ]は「cat [kæt]」や「map [mæp]」、「man [mæn]」などを発音する際に用いられる音素です。

こうだい

日本語では「”え”の口で”あ”を発音する」と教えられています。

イギリス英語の [æ] は口を大きく開く傾向にありますが、アメリカ英語の [æ] はやや閉じ気味で、音がフラットになります。

イギリス英語の [æ] を発音するには口を大きく開き、喉の奥から声を出す感覚が大切です。

一方で、アメリカ英語の [æ] は口をリラックスして開き、声を後ろに引くようにするとアメリカ人っぽくなりますよ。

o の発音

“lot”や”hot”などに使われているoの発音お違いを見てみましょう。

イギリス英語[ɒ] の音を使うことが多い
アメリカ英語[ɑː] の音を使うことが多い
イギリス英語のhot
アメリカ英語のhot

イギリス英語の [ɒ] は唇を丸めて短く発音しますが、アメリカ英語の [ɑː] は唇をあまり丸めず、長く引き伸ばして発音します。逆に、舌の構えはほとんど同じです。

こうだい

イメージとしては、アメリカ英語は「アー」、イギリス英語は「オッ」って感じです。

イギリス英語の [ɒ] を発音するには、唇をしっかり丸めて短く発音しましょう。アメリカ英語なら、口を広く開けて長めに発音することを意識してみてください。

u の発音

“duty”などに使われるuの発音はどんな違いがあるのでしょうか。

イギリス英語[juː] の音を使うことが多い
アメリカ英語[uː] の音を使うことが多い
イギリス英語のduty
アメリカ英語のduty

他にも”new”や”tune”に使われています。

イギリス英語では子音 [j] を含むため、音がクリアになります。アメリカ英語ではより単純な [uː] を使い、音が柔らかいです。

イギリス英語の [juː] を発音するには、[j] の音をしっかりと前に出しましょう。唇を丸めてから [uː] の音に続けます。

アメリカ英語の場合は、唇を丸めて[uː] を長く発音します。

子音の違い

次に子音の違いを見ていきましょう。

r の発音

末尾に来るrの発音肉専する日本人は多いですが、イギリス英語の発音はご存知でしょうか。

イギリス英語末尾や母音の前に来る r は発音しないことが多い
アメリカ英語どの位置でも r を発音する
イギリス英語のhard
アメリカ英語のhard
イギリス英語のcar
アメリカ英語のcar

イギリス英語では、語末や母音の前の [r] を発音しないという日本人大歓喜な特徴があります。一方でアメリカ英語では、すべての [r] を明確に発音するという韻律的な特性があるのです。

イギリス英語の [r] を発音するには、語尾の[r] の音をしっかり省略する意識が大切です。

アメリカ英語の場合は、舌先を上あごにくるんと近づけて [r] の音をしっかりと発音しましょう。

t の発音

tの発音でも両者に違いがあります。

イギリス英語t を明確に発音する
アメリカ英語弱く発音され、[d] に近い音になることがある(フラップT)
イギリス英語のbetter
アメリカ英語のbetter
イギリス英語のa bottle of water
アメリカ英語のa bottle of water

イギリス英語では子音の [t] を明確に発音するのが特徴です
アメリカ英語は弱く発音する(または発音しない)フラップTを使うことが多く、両者の大きな違いといえます。

こうだい

“a bottle of water”の発音の違いは世界的にも有名ですよね。

イギリス英語の [t] を発音するには、舌先を上あごにしっかりと当てて発音しましょう。

アメリカ英語の場合は、舌先を軽く触れる程度にして、短く発音します。

ストレス・イントネーションの違い

次に、ストレスやイントネーションの違いを見ていきましょう。

単語のストレス

アクセントを付ける位置がイギリス英語とアメリカ英語で違う単語がいくつもあります。下記はその抜粋です。

イギリス英語advertisement [ədˈvɜːtɪsmənt]
address [əˈdres]
garage [ˈɡærɑːʒ]
アメリカ英語advertisement [ˌædvərˈtaɪzmənt]
address [ˈædres]
garage [ɡəˈrɑːʒ]

これらは個々に覚えていくしかないので、自分の学びたい発音の方をコツコツと学んでいきましょう。

文のイントネーション

文章単位でもイントネーションの違いを感じられるのが、言語の面白いところ。

イギリス英語上昇調や下降調の使い方が異なることが多い
アメリカ英語フラットなイントネーションが一般的

イギリス英語は、文の途中や終わりで上昇調や下降調を多用し、それによって表現の幅を広げています。

アメリカ英語は、フラットなイントネーションが多く、明確でシンプルな表現が特徴です。

各単語の発音の違い【クイズです】

ここまでの内容を踏まえて、発音の違いを確認しておきましょう。

いくつか具体的な単語を厳選したので、音声のどちらがイギリス英語か当ててみてください!

“schedule” の発音

  • イギリス英語: [ˈʃedjuːl]
  • アメリカ英語: [ˈskedʒuːl]

“tomato” の発音

  • イギリス英語: [təˈmɑːtəʊ]
  • アメリカ英語: [təˈmeɪtoʊ]

“herb” の発音

  • イギリス英語: [hɜːb]
  • アメリカ英語: [ɜːrb](h を発音しない)

その他の音の違い

最後にその他の音声の違いを確認しておきましょう。

th の発音

イギリス英語[θ] と [ð] の音がしっかり発音される
アメリカ英語一部の地域で [θ] と [ð] が [t] や [d] に変わることがある

イギリス英語では、[θ] と [ð] を明確に発音し、アメリカ英語の一部地域では、これらの音が [t] や [d] に変わることがあります。

イギリス英語の [θ] や [ð] を発音するには、舌先を前歯の間に軽く挟んで発音します。

アメリカ英語の地域的な変化に対応するには、発音する際の舌の位置や口の形に注意します。

l の発音

イギリス英語一部の地域でダークLがよく使われる
アメリカ英語ダークLが一般的

「ダークL」とは暗く曖昧に発音されるLのことです。

アメリカ英語全般ではダークLが一般的に使用されますが、イギリス英語の一部地域でも、ダークLが好まれます。

ダークLを発音するには、舌の後部を上あごに近づけて、音をこもらせるように発音しましょう。

日本人がイギリス英語を聞き取りやすい・発音しやすい3つの理由

以上の内容を踏まえて、イギリス英語が日本人にとって「発音しやすい」「聞き取りやすい」と言われる理由を解説します。

日本人にとってイギリス英語が発音しやすい3つの理由
  • 一語ずつはっきりと発音するから
  • Tをしっかりと発音するから
  • 語尾のRを発音しないから

ひとつずつ見ていきましょう。

理由①:一語ずつはっきりと発音する

イギリス英語は各単語を明確に発音するため、聞き取りやすいです。

日本語も一語一語がはっきりしている言語で、近しい部分があるのでしょう。

アメリカ英語は逆にすべてが連なって聞こえるため、イギリス英語のこの特徴は日本人にとって馴染みやすいのです。

理由②:Tをしっかり発音する

イギリス英語ではTの音が明確に発音されるため、理解しやすいです。

アメリカ英語ではT母とんされなかったり、DやRの発音に変わったりと何かと紛らわしい…

こうだい

はっきりと発音すると「カタカナ英語」に聞こえやすいですが、イギリス英語だと言えば、少しは誤魔化せそう笑

理由③:語尾のRを発音しない

イギリス英語は語尾のRを発音しません

日本人にとってRとLの聞き取り、発音が英語学習において困難を極めるポイントのひとつです。

イギリス英語のこの特徴は、非常に助かります。

まとめ:日本人はイギリス英語の発音を学んで、最短距離でネイティブ発音を手に入れよう

今回はイギリス英語とアメリカ英語の発音の違いを解説しました。

イギリス英語とアメリカ英語には多くの発音の違いがあります。しかし、どちらが優れている/劣っているという話ではありません。

義務教育ではアメリカ英語を中心に学習しますが、英語学習に飽き・停滞を感じているならイギリス英語を学ぶのもひとつの手です。

幸い、日本人にとって、イギリス英語は明瞭で聞き取りやすい特徴がたくさんあるため、挑戦してみる価値は十分にあります。

イギリス英語を日本にいながらマスターするには、イギリス英語に特化したオンライン英会話を利用することをオススメします。

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